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雫は真っ赤な顔をして、震えていた。
優司のカイロを握らせる。
もうすぐ家に着くからな。
優司は玄関先で俺たちを出迎える。
「おかえり、よかったな無事に見つかって」
「あぁ、やっぱり俺は怒ってしまった」
俺は抱えた雫をベッドへ寝かせる。
「それだけ、本気で好きだって事なんだろ?」
「まぁ、そんなとこだな」
優司は俺に微笑むから、俺も笑う。
「じゃあ、俺は帰るわ。メリークリスマスお二人さん」
「おう」
優司は帰って行った。
部屋の中は暖かい、それなのに雫はくるまった布団をガタガタと揺らしていた。
「寒いか、雫。大丈夫か?」
「…さ…寒いよ…頭痛い…」
か細い声で雫は言う。
どうしたらいいか分からずに、ネットで検索した。
『濡れた衣類を着たままではいけません。必ず脱がして、熱いお湯のお風呂に入れて、長湯はせず、入浴後は暖かい部屋で暖かい布団に首まで隠れるように包み込み、寝かし付けます』
俺は熱いお湯を浴槽に溜めて、やむを得ず雫の服も下着も脱がして、丸裸の状態で抱きかかえて、風呂にゆっくり入れてやる。
「…好人…ごめんなさい…」
うわ言みたいに何度も言う。
身体を拭いてやって、着替えさせて、またベッドに寝かす。
謝るくらいなら、最初からこんな事するな。
俺は何度も雫の髪を撫でて、側に居る事を伝える。
人を守るって事は、こういう事か。
俺は雫の彼氏。
俺は雫の兄ちゃん。
俺は雫の親父。
それから、この先は?
「…好人…」
おまえが、俺の名前を呼ぶから。
俺は布団の中に入り込み、ギュッと強く抱き締めた。
「俺はここに居る。いつもここに居る。おまえはいつも、俺のここに居ればいいんだよ」
「好人…寒いよぅ…」
雫の言葉に、再び強く抱き締めた。
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