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「それから、俺の居ない所で勝手に消えたら許さない。おまえは俺が居る限り独りじゃない」
「ずっと?絶対?何処にも行かない?」
「おまえが消える時は、おばあさんになって死ぬ時だ。その時は、俺もすぐ隣で一緒に消えてやるから、心配するな」
雫は真っ直ぐ俺を見つめて、うなずいた。
「…私、今度こそ本当に好きな人と永く居られるんだね…」
「そうだ」
「…嬉しい…嬉しくて涙が止まらない…」
雫は大粒の涙を流していた。
嬉しいという言葉に、俺は本気でおまえを好きになって、おまえを守るんだって決めて、間違いはなかったと確信した。
「おまえの全てを俺にくれるか?」
「うん…」
「俺はおまえに好きよりも、深くて大きな気持ちをあげるよ」
「うん…」
「それはね、愛してる」
「愛してる?」
俺は雫の口唇を大きく塞いだ。
愛してるってのは、どうやって知っていくのか、教えてやる。
俺は部屋の灯りを消して、布団の中に潜り込んだ。
「…あっ…」
雫の声が聞こえる。
好きってのは、言葉で表現して自分の気持ちを伝えるんだ。
愛してるってのは、身体を重ねて自分の気持ちを伝えるんだ。
「…あぁっ…」
俺たちはもう、そういう関係なんだ。
恥ずかしい部分も、違った部分も、全部知っていく関係なんだ。
吸い付くした時のその声も。
舐め廻した時のその表情も。
「雫、愛してる」
新しい雫を発見して、また愛してると俺は感じたい。
「…好人…」
視点の定まらない雫に強く言う。
「雫、俺を見ろ。俺の目を見ろ」
「うん…」
視点が合った瞬間に、そっと挿入させた。
「温かいだろ?もう寒くないぞ」
「…本当だね。好人、温かい…」
もっと、温かくしてやるからな。
ゆっくりと俺は雫を包み込みようにして、動き出した。
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