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あの夜のクリスマスから、雫と俺の中は更に更に深まった。
仕事もお互いに順調で。
食事の支度も、風呂だって一緒に入って、お互いの頭を洗い合って。
セックスだって、アホみたいに毎日やりまくって。
何をやるにも、二人でいつも一緒だ。
春には、リサの結婚式があって。
俺と雫と優司が、もちろんリサ方の友人として招待されて、
「うわっ!うわっ!凄くキレイ!」
「指を差すなって」
「いいじゃねぇか。俺たちのは、リサ様の友人なんだから」
と、三人で教会の中でぼやいたりして。
「リサさん、おめでとう。とても素敵☆」
「ありがとう。雫ちゃんも今日はまた一段と可愛い。そのお洋服は永居くんに買ってもらったの?」
「うん。ミニは足が見えるから長いのにしろ!って。これにしたの」
…余分な事を言うんじゃねぇよ。周りが引くだろが。
「おまえ、それはちと過保護だろ」
優司に言われた。
「俺の金で買うんだから、俺が選ぶのは当たり前だろ」
俺は思わずケチくさい事を言ってしまった。
「このお花、雫ちゃんにあげるわね」
リサはブーケを雫に握らせる。
「いいの?こんな大切なの、もらっていいの?」
「永居くんは、お金にシビアだけどいい旦那さんになるわ。だから、雫ちゃんは何もかも永居くんに預けなさい」
「全部?」
「記憶も何もかも」
リサはそっと微笑み、俺を見る。
「このブーケには魔法がかけられているのよ。私もその魔法にかけられて、この姿になったの。次はこれを手にした雫ちゃんが純白のドレスを着る事になるわ」
「えっ?そうなの?私もこれ、着るの?」
…バカ、何を期待持たせてんだ。急に言われても、金がねぇよ。
「ねっ、永居くん?」
「その、念押しはやめろ」
すると社長のバカ息子が、
「まぁ、永居も早く雫ちゃんと落ち着けや。そうすりゃ、怖い鬼の面もはがれるだろ。おっと、まずはひねくれた性格を何とかしなきゃな。ワッハッハ!」
コイツ、俺に問題があると言いたいのか。
こんな席で俺をけなしたら、会社で痛い目みるぜ。このバカが。
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