*あとがき*

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月読 雫は、おとぼけていかにも頭が悪そうで、でも凄く可愛い32歳ですが。 やはり闇はありましたね。 それは、仕方ないです。 両親の面影すらも知らずに、全くの他人に育てられたのですから。 大人になるにつれて、知らなくてもいい事ほど、何気なく知っていってしまう。 そして、何故私が孤独な人間なのかという意味を知る。孤独な人間の先はどうなるのかも知るのです。 彼女は実は、好人と出会った日に遊び歩いて死ぬつもりでいました。おばあさんが亡くなってから、彼女は死ぬ時が来たと考えていて、ならば色々経験してやろうと夜を遊び歩いていました。 寂しいも束縛もなく、ただ男性とセックスなどをして、冒険してからこの世から消えようとしていたのです。 しかし、好人に出会った時に「こんな事してたら危ないよ」と言われ、家まで連れて行かれて、一緒に住んでもらって。 彼女は何度も失踪をしようと企んでいたのですが、家の中に閉じ込められてはできませんよね?仕事まで一緒では、チャンスはなかなかありませんよね? そのうち雫は、好人が自分を凄く大切に扱ってくれる事に気が付きます。 早く手を出してくれたらいいのに。 無理矢理にでも強引に、セックスしたらいいのに。 好人は、キスから何から全て説明をしてから、雫に接します。 こんな優しい男性はいないですよ。 それだけ雫は好人に愛されていた事になります。 最後にやはり失踪自殺をはかりますが。 本当の本心は、心配させてみたかったんじゃないかと。 私が居なくなったら、どれくらいの労力を使って真剣に心配して探してくれるのだろうか。 なんて半分は思いながら、暖かな灯りの向こうに見えた、暖かな生活の中で生きる、暖かな人の姿を見つけて、自分はそこに生きる事が出来る人間だといいのに。 うらやましくて、立ち止まり見とれてしまった。 これが月読 雫の本心です。
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