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とりあえずは必要な物だけ持っていく事にした。
後は、追々俺が、雫の荷物は運び出す。
冷静になった時に、気が付いた。
自分はこんな扱い、親にもされた事はない。
それを他人の事なのに、雫の側に居て痛感した。
心の底から。
雫の家を出る時に、
「ちょっと待ってろ…」
俺はまた、おばあさんの部屋へ行った。
見渡しながら、俺は自分のばあちゃんの事を思い出した。
俺も可愛がってもらった記憶はある。
親戚とか、いとこが全員ばあちゃんの家に集まり、ばあちゃんの部屋でトランプやったりお菓子食べたり…今でも楽しい思い出だ。
雫はそういうの、なかったんじゃないのかって俺は思うんだ。
雫のおばあさん。
大切な雫を、この家から出させてしまうのを、あの世から恨まないでくれよな。
恨むなら、親戚を恨んでくれ。
トランプやったりお菓子食べたりは俺がする。
これからは俺が雫と住むよ。
俺は手を合わせて、深々と一礼して、雫の元へと向かった。
「行くぞ、雫!」
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