⑦私、ここに居たい

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さすがに、仕事場で優司に相談しようと思い始めた頃に、俺の疲れた表情で先に優司が声を掛けてきた。 事情を話すと。 「何でそういうの計画持ってやらないんだ。犬や猫じゃないんだから拾って持って帰ってきて、育てられませんでしたで、済まないぞ?」 「分かってるって」 「っていうか、好人がそんな事までするなんて珍しいじゃん?どうしたんだよ、いつも情のない冷たいおまえが」 情がない、冷たいって…。 まぁ、深く自分が他人からどう思われてるかなんて気にした事もないが。 「実はさ、家に送り届けた時に、雫の家の中にお邪魔したんだよ」 「あら、大胆」 「正直引いたよ、身寄りがいないだとかそんな事よりも……」 俺は優司に1から雫の素性を説明した。 普通に有り得ない。 誰が聞いたって、そう思う。 優司は俺と違い情にあつい男だ。 だからか余計に雫の話を聞いて、自分の事みたいにムカついていた。 そして優司を連れて、俺は自分の家に帰る事にした。 雫が来て、もう1週間は立つ。 そろそろ、優司を紹介しよう。 「雫は小さな子どもみたいなもんだから、あんまり変な事を言ったりすんなよ」 「おおっ?…雫ちゃんって言う名前か。…可愛いじゃねぇか★」 俺は優司を睨み付けた。 何か……心配だな。 部屋の玄関の扉を開ける。 「ただいま、雫」 「好人っ、好人っ♪」 餌に吊られた仔猫みたいに、駆け寄ってくる。 しかし見慣れない優司に、後退りした。 「後退りされた。ショック」 「普通だろ」 「そうだろな」 「雫、今日は会社の友人を連れてきた」 雫は、黙って俺の方を見る。 「大丈夫だ。見た目は遊んでそうだが中身は善いヤツだ」 「好人のお友達?」 「そうそう。時々こうやって家に来るからな。ちょっとクドイかも知れんが覚えくれよ」 「うん」 不安そうに、俺の腕の後ろに隠れて優司を見る。
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