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仕事が終わり、家に即刻帰る。
雫はいつものように駆け寄ってくる。
「ただいま、雫。クハァー!今日はマジに疲れた」
雫に荷物を渡して、風呂場へと行く。
「好人、草の匂いがする」
俺の草まみれの臭いをまた嗅ぎまくりながら、後ろを着いてくる雫。
「おう、御名答。草むしりしてたからな。シャワー浴びるわ」
俺は上着を脱ぎ捨てて、Tシャツをも脱ぐ。
そんな俺の姿を、雫はジッと見ているから。
「何?」
「何でもない」
「あっち行けよ、下が脱げねぇだろ」
「えへへ☆」
ったく、あんま変な行動してると抱くぞ。
はぁ~あ、疲れた。
早く横になりたい。
シャワーを浴びて出てくると、雫はコケ丸を机の上に置いて、指でつついたり、ブツクサ言いながら、奇妙な笑みを浮かべたりしていた。
対話ってやつか…、キッ、キモいな。
「雫、ちょっとこっち来い」
俺はベッドに背を向けて横になった。
「好人」
近寄ってきた雫の手を掴み、
「この辺り、思いっきり何度も叩いてくれ。分かったか?」
俺は自分の腰の辺りに雫の手を置く。
「うん、分かった…。トン♪トン♪トン♪」
「もっと強く」
「トン♪トン♪トン♪」
「もっともっと!」
雫はありったけの力を込めて、俺の背中から腰にかけて殴る。
あぁ~、気持ちいいねぇ。
「軽作業の草むしりだと…上等じゃねぇか…ただ腰には、ちとこたえるな」
俺は独り事のように雫に話す。
「草むしり大変?」
「草むしりはなぁ、腰を落として膝を思いっきり曲げて下向いて動くだろ?だから結構キツイんだぜ?雫はやった事あるか?」
「あるーっ♪でも楽しそうっ♪」
「じゃあ、雫にコッソリ草むしりの時は頼んで。俺はサボろうかな」
「えへへ☆いいよ。好人の言う通りにするもん♪」
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