⑩私、草むしりでいい

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仕事が終わり帰って来ると、最近雫は暇過ぎて退屈だったのか、寂しそうな表情を俺にする。 外に出して、戻って来れなくなるのが心配で。 独りの時は、家の中に閉じ込めているから。 だから時々、夜は雫を車に乗せて、雫の家に荷物を片付けに行くがてら、ドライブをする。 「今夜は図鑑か。アルバムは後で俺にも見させろや」 雫の小さい頃ってどんなふうだったんだろな。 って、あんまり今もガキみたいだから変わらないか。 「好人のも見たい☆」 「残念ながら、俺の卒アルとかは実家にあるから見れませーん」 運転しながら、雫の鼻をイタズラに積まんでやった。 「えへへ☆」 嫌がらせなのに、嬉しそうに雫は笑う。 かまって貰いたいって、感じか。 「雫も何か日中の間にやれたらいいんだがな…」 掃除に洗濯。 本当は、そこを一番やって欲しい。 でも、雫は恐らく出来ないんだろうな。 あの雫の部屋の散らかり方は、半端ねぇもん。 まぁ、俺も同じようなもんだけどさ。 何か、雫にでも出来る事ないか……?
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