⑩私、草むしりでいい

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リサの口から雫の名前が出た時に、俺はもうリサとは本当の本当に終わって、それぞれの想う相手がいるのだと感じた。 何だろう。 それでも俺は分かっていながらも、もがきたいのか。 「そうだな。雫には俺しか居ないもんな…」 強がり半分、気が付いて欲しさ半分。 「彼女を大切にしてあげて。私はそのためなら、協力するから。いつでも頼って」 「彼女か…。雫みたいなのが、俺の彼女ねぇ…。ありがとよ」 そう言うしかない。 そう言って、今の頭の中にある雫の存在を認めるしかなかった。 俺は、弁当を買って家に帰る。 退屈だったのか、すぐに駆け寄ってくる雫の頭を撫でながら、部屋へと入る。 シャワーを浴びて戻って、二人で弁当を食べる。 何だか会話はお互い一方通行で、なのに話は弾む。 まとまりないのに、雫も俺も意味分からないまま笑ってる。 雫が入浴中に、俺は食事の片付けや明日の準備をしたりして、ホッと独りのわずかな時間を過ごす。 横になって、ゆっくりして落ち着いた時に話そう。 アルバイトの話。 アイツ、本気でやる気あんのかなぁ。 俺はどっちでもいい。 ただ、どうせ忘れてしまう記憶ならば。 楽しい時間を過ごした方が絶対いい。
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