⑪私、かまって欲しい

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雫が眠ったのを確認して、暗闇の中で俺はまた秘密のキスをした。 明日も仕事頑張るか。 なんて、雫の可愛い寝顔をしばらく見つめていたら。 ゆっくりと長い睫毛が上がって、雫は瞼を開けた。 やっぱりコイツ、起きてやがった。 嘘寝りか。 結局キスしてるのバレバレ。 「起きてたのか」 「今、好人キスした?」 露骨に聞かれると、逃げ場がなくて、してないとは言えなくて。 「したよ」 「えへへ☆うへへ♪」 雫は口元を両手で隠して、明らかに照れ笑いをする。 「キモいな~、その笑い」 「だって、だって、初めて好人にキスされたんだもん」 初めて? コイツ、今夜のが初めてのキスと思ってんのかよ。 おい、じゃあ今までのは何だと思ってたんだ。 マジにとことん、ボケてんなぁ。 「おまえが寝たかどうかの確認のキスだ。…早く寝ろ!」 「はーい」 目を閉じる寸前に、雫は俺の腕にしがみ付いてきた。 そのまた、どうしようもない柔らかな感触と、女の子独特な滑るような肌で、俺の腕を包み込む。 シャンプーの香りも俺と同じ匂いで。 そのTシャツだって、短パンだって、俺のなのに、いつの間にか雫の部屋着になってて。 当たり前のように毎晩同じベッドで寝る。 押さえようとして、秘密のキスをしていたのに。 どんどん、おまえに触れていきたくなる。 どんどん、俺の何かが前へ前へと図々しくも大胆に押し出されていく。
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