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雫が眠ったのを確認して、暗闇の中で俺はまた秘密のキスをした。
明日も仕事頑張るか。
なんて、雫の可愛い寝顔をしばらく見つめていたら。
ゆっくりと長い睫毛が上がって、雫は瞼を開けた。
やっぱりコイツ、起きてやがった。
嘘寝りか。
結局キスしてるのバレバレ。
「起きてたのか」
「今、好人キスした?」
露骨に聞かれると、逃げ場がなくて、してないとは言えなくて。
「したよ」
「えへへ☆うへへ♪」
雫は口元を両手で隠して、明らかに照れ笑いをする。
「キモいな~、その笑い」
「だって、だって、初めて好人にキスされたんだもん」
初めて?
コイツ、今夜のが初めてのキスと思ってんのかよ。
おい、じゃあ今までのは何だと思ってたんだ。
マジにとことん、ボケてんなぁ。
「おまえが寝たかどうかの確認のキスだ。…早く寝ろ!」
「はーい」
目を閉じる寸前に、雫は俺の腕にしがみ付いてきた。
そのまた、どうしようもない柔らかな感触と、女の子独特な滑るような肌で、俺の腕を包み込む。
シャンプーの香りも俺と同じ匂いで。
そのTシャツだって、短パンだって、俺のなのに、いつの間にか雫の部屋着になってて。
当たり前のように毎晩同じベッドで寝る。
押さえようとして、秘密のキスをしていたのに。
どんどん、おまえに触れていきたくなる。
どんどん、俺の何かが前へ前へと図々しくも大胆に押し出されていく。
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