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しかし朝が来ると、俺はしっかり雫をタオルケット代わりに、巻き付いて寝てるのに気が付く。
……あぁ、キモチよかった。
雫も目を擦りながら起きる。
「よひと…おはよっ」
「まだ眠いなら寝てろ」
「う~うん、もう起きるぅ」
「雫、草むしりのアルバイトの話し進めるけど、いいな?」
もう、忘れてるよな。
そんな顔してるって事は。
「草むしり?アルバイト?」
「そう、俺と同じ会社でアルバイトやるの」
「うん、やるやる」
また同じ説明してやったんだから、嫌だとかもし突然言い出したら、必ず次は犯す。
支度を済ませて、
「夕方には帰る。今夜は買い出しに行きたいからさ」
「うん、分かったー!」
雫は嬉しそうに玄関先まで付いてきた。
俺は靴を履いて、
「分かったって、どうせ俺が帰ってくるまでには忘れるんだろ?」
「そんな事ないよ」
……どうだかな。
でも、雫の元気な笑顔に。
「じゃあ、行ってきます」
「はーい☆行ってらっしゃーい!」
俺は玄関の扉を閉めて、しっかりと鍵を閉めた。
雫、昨夜のおまえのせいで俺の身体はおかしくなりそうだったんだ。
チクショ、何かモヤモヤする。
草むしりのアルバイトで採用されたら、絶対こき使ってやる。
疲れさせて、次は絶対最後までやる。
いい年した大人同士が、何高校生みたくモジモジしてんのかねぇ。
雫を俺だけのモノにしたい。
セックスする事で、俺様のモノになる。
って、男は何故だかそう思ってしまうから、すぐに手を出しちゃうんだろうな。
あぁ、優司みたいでやだ。
俺は獣か……?
会社に着くと、その優司がやって来た。
「やあやあ、おはよう、好人くん!」
今日も一段と軽いな、コイツ。
「おはよ。そう言えば雫の草むしりの話、リサにしてくれたみたいでサンキューな」
俺は必要以上に話したりしないから。
「いや、対した事はない。久我山リサに、好人にはもう大切に思う子が居るんだよ!と遠回しで言っておきたかったんだよ」
「あぁ、そう。苦手な相手に良く頼んだもんだと感心してたんだが。実はイヤミが言いたかっただけとは」
「ワンクッションでもツークッションでもなきゃ、好人はストレート過ぎるからさ」
はいはい、どうせ俺は性格キツイですよ。
「うまくやるためには、使えるモンは使わなきゃ」
確かにそうだな。
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