⑫私、キスしていい

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雫と食品のスーパーへ、半額ねらいで買い出し。 冷蔵庫は小さいから、二人分でも厳選して買わなければいけない。 独りだけなら、弁当で済むとこを。 面倒だか、これからは自炊していくようにしなければならない。 「雫は何か食べたいの有るか?」 「スルメとバナナ!」 さっぱり、違うジャンルじゃねぇか。 「そうじゃなくて。おかずだよ、おかず。夕飯とかの」 「えっと、えっと…う~んと、う~んと…」 ダメだ、コイツ。 すぐ、こんな事でも故障しやがる。 「雫は料理少しはできるのか?」 「できなーい」 雫は買い物カートをガタガタ動かして楽し気にしている。 「そうだな、俺もできないけど。炒めもの少々。カレーや餃子なら出来る」 「私ね、カップラーメン得意だよ」 あはは、カップラーメンね。 「俺も、大得意だ」 じゃ、カップラーメンと。 雫の朝食でバナナも買うか。 今夜は何にするかな。 「玉子も買うでしょ?」 雫は玉子を指差して、嬉しそうに言った。 「玉子は便利だからな」 よし、玉子も買おう。 「私玉子焼きなら出来るよ」 「嘘つくなよ」 「嘘じゃないもん」 頬を膨らまして、すねる雫が何とも可愛いというか。 コイツに意地悪したくなるのは、その表情がみたいような気もあったりする。 「じゃあ、今晩は玉子焼きがおかずだ」 「いいよ☆」 俺は雫の頬を片手で、鷲掴みにして変な顔にしてやった。 「よひと…ひたい…」 「バーカ」 俺は柄にもなくスーパーん中で、いわゆるイチャついた。
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