⑬私、面接する

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面接の前日。 近くのコンビニで履歴書を買って、それに貼る写真もついでに撮って、 「好人も写る?」 「これは、独りで撮るもんだからダメ」 「プリ、プリ…」 「プリクラじゃないし、笑って撮ったら失敗だからな」 「分かった。真面目にね?」 「そう、真面目に」 でも、撮った写真が気になって出来上がりを俺は、マジマジとチェックする。 「いい感じ?」 「まぁまぁだな」 雫は頭を傾げていた。 俺は簡単には誉めたりしないからな。 厳しいぞ、仕事中の俺は。 一緒に現場行ったら、ビシバシ教えてやる。 そして、もう一回写真を見る。 チクショ……可愛い。 「好人、アイス食べたい」 「はいはい」 そして家に着いて、机の上を片付けて履歴書を拡げる。 「いいか、これが履歴書って言って。とにかく働く前に面接をする時に必ずいるもんだ」 俺は雫の隣に座って、指を差す。 「大切な紙だから、失敗は許されない。間違ったままで持っていくと、バカだと思われるから、ちゃんと書けよ」 「うんうん」 「まずは名前、書いてみろ」 「ひらがなも?」 「そうだ。その下の学歴は長いから俺が書いてやる。住所と連絡先はこれを書け」 と、ここの住所と俺の携帯番号を書かせる。 「裏面も俺が書くからいい。ハンコあったか?」 「あるよ」 「ハンコ押すのは、大切な紙って覚えておけ。分かったか?」 「うん、分かった」 ハンコを受け取り名前の欄に押す。 雫は、更に俺に密着して覗き込む。 ヤバい……。 俺の腕に、柔らかい胸があたる。 「好人、写真貼る?」 また、そんな表情で俺を見るなっての。 変な気持ちになる。
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