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記憶が曖昧なだけだろ?
すぐ、忘れちゃうだけなんだろ?
俺はちゃんと、そのつど記憶してる。
記憶されて残るものが、溜まりに溜まって、俺はおかしくなりそうなんだよ。
「おまえは女の子で、俺は男だ」
「うん、それぐらいは知ってるよ?」
「身体の作りが違うのは、分かるよな」
「えへへ☆」
俺は強くまた抱き締めた。
先の事なんて、今語ってしまったら。
知ったかぶりでキザでカッコ悪いから、言いたくない。
かと言って、過去の昔話も今は必要ない。
今の今が俺の中では大切にしたくて。
今のこの高ぶる身体を何とかしたくて。
「男って、感じたもの全てが身体に、表れちゃうんだよ」
「そうなの?全然知らなかった」
「だから、エッチして普通に戻すんだ」
俺は何だか保健の先生みたいな事を、言ってるよな。
「好きだからエッチするんじゃないの?後は遊びでする人もいるんだよね?」
「もちろん好きだから、エッチするんだけど…」
好きだから、なんて正直今の俺は二の次で。
恋愛感情は差し置いて、俺の性欲がやたらと前へ前へと進むから、苦しくて溜まらないんだ。
痛いんだよ。
「……好人、もしかしてエッチしたいの?」
「……まぁ、おまえが俺の隣に一生居る限りは、その…そういう…」
雫は俺の胸に手を添えた。
「私の気持ちと好人の気持ちが同じか、確認していい?」
はっ?
雫は体重をかけて、身を乗り出すように俺にキスをした。
おいおい、ちょっと……。
俺はキスがしたいんじゃなくて……。
どうしたんだ、こいつ。
まるで、俺のが襲われてる。
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