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リサに雫と手を繋いでいる姿を見られてしまって、何だか俺だけが勝手に気まずい。
「あら、彼女が雫ちゃん?」
リサは優しい表情で言う。
「そうだ、彼女が好人のエンジェルハートちゃんだ☆」
優司が、俺よりも先に雫を自慢気に紹介する。
……何が、エンジェルハートだ。
「おはよう。はじめまして、久我山 リサです。前田くんの言う通り、名刺にひらがな書いてきたわ。……はい、これ。あげるね」
雫は恥ずかしいのか、それを受け取ると、やっぱりまた俺の後ろに隠れて、コソッとリサを見る。
まぁ、いいや。
「これ、雫の履歴書なんだが。ちょっとまだ俺にも不明な箇所があって、空欄が多いけど、大丈夫かな?」
「可愛い子ねぇ。そりゃあ、永居くんが抱き締めたくなるのも無理ないわ」
……ざけんな、そんな話どうでもいいわ。
「雫ちゃん、このお姉さんが今日の面接で付き添ってくれるから、何も心配しなくていいからね」
優司も柔らかい言い方で、そう雫に伝える。
「好人は?」
雫は俺を不安気に見る。
「俺は仕事だから、一緒にはいられない」
「そっか…」
「みんな忙しいのに、おまえのために時間をさくんだ。だから、ちゃんと初対面で、分からなくても、頭下げて言わなきゃいけない事があるだろ?」
モジモジしてる雫を前に出させて、
「本日はお願いします」
実は、さっきちょっとだけ車の中で練習した。
「永居くん、あなた相変わらずキツイわ。言い方が」
「そうだそうだ。もっと女の子には優しくしろ」
何なんだよ、コイツらは!
優司、リサが嫌いじゃなかったのかよ!
やたら、団結してるよ。
「じゃあ、頼むわ」
「履歴書については、何も問題ないわ。心配しないで。ほぼ、受け入れ体制はバッチリだから」
リサは強気で言った。
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