⑬私、面接する

7/7

116人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
「じゃあな、雫。またお昼な」 「よっ、好人っ…」 俺は雫の声が聞こえたが無視して、その場を立ち去った。 優司は言う。 「おまえは、冷た過ぎるよ…」 「俺が冷たくても、優司が優しいから別にいいだろ?」 「何それ?ヤキモチィ?」 俺は優司の腹を軽く殴る。 「そんな感情はまだ無い」 「ふぅ~ん、…の、わりには顔が怖いんですけど?」 「もとからだ」 ヤキモチっていうか、俺の雫なんだから俺がまず先に、雫を紹介しなきゃならんのに。 前田の前は、前に出過ぎの前だな。 後はリサに任せたから、俺は仕事に集中するかな。 今日の俺の予定はと。 作業スケジュール表を見ると、 「ワオッ!好人と公園デートだぁ☆」 優司と公園の植替え作業か。 ……最悪。 「スコップで根掘り葉掘り、好人と雫ちゃんの事、ほじくってもいいかなぁ?」 何、言ってんだ。言う訳ないだろ。 「……ア・ホ・か?」 俺はわざと感じ悪く、透かした目で見下して言うのだが。 「ア・ホ・だ☆」 ニヤリと満面な笑顔で、優司に言い返された。 ……クソが。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加