⑭私、ご褒美もらえるの?

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雫の面接日と言う事もあり、今日は早めに仕事を切り上げさせてもらった。 「じゃあ、帰るわ」 「バイバイ、みんな」 雫は何度も振り返りながら、優司とリサに手を振る。 「おまえは、明後日が入社日だからな」 「うん」 「俺が覚えてるから大丈夫だ」 「うんうん♪」 車に乗り込み、とっとと帰る。 「ねぇ、ご褒美って何?」 運転する俺のシャツを雫は引っ張る。 「さぁ、何かな」 「何、何ィ???」 「家に着いたらな」 「えぇ~!やだぁ」 雫へのご褒美というより、俺のご褒美みたいなもんだな。 日中なら、下も隣近所も留守で居ねぇから。 思いっきり物音立てても気にしなくていい。 ソワソワするな、チクショ! そして、家に着いて玄関を閉めた。 その瞬間に俺は思いっきり雫を抱き締めてやる! って、おい! おい!おい!おいっ! 雫は慌ててトイレに駆け込んだ。 「おっ、おしっこ漏れるぅー!」 ……何なんだよ。 この俺がこんな高ぶってるのに、頼むよ。 雫はトイレから出てきて、コケ丸に水をあげていた。 「雫…」 俺は後ろから抱き締めた。 「今日は疲れたろ、シャワー浴びてサッパリしてこいよ」 「えっ?まだ、いいよ」 いいよ、じゃねぇよ。 「浴びてこい」 俺は眉間にシワを寄せてマジに言った。 「わ、分かった」 雫はビビッて慌ててシャワーを浴びに行った。 アイツが出た後、俺もシャワーを浴びる。 何故だか念入りに身体を洗う。 絶対今日こそは、雫を最後まで抱いてやる。 ジラされてる訳じゃないが、こんなにタイミング悪く、時間をかけた事は自慢じゃないが一度もない。 俺は自分で言うのも、おこがましいが結構モテる方なんでねぇ。 優司みたく露骨にそれを売りには、していないものの。 この先もずっと一緒に居るんだから、中身ばっかり知り得ても、うまくはやっていけない。 そんなガキや友達との仲とは違うんだ。 全てを知らなきゃいけない。 俺と雫は、そういう仲でこれから暮らしていくんだから。
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