⑭私、ご褒美もらえるの?

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気持ちは、おまえが不安気にしているから優しくしてやりたいんだが。 身体がもう前へ前へと突き立っていくから、気持ちがどうしても後回しされてしまう。 雫のパンツに手をかけた。 それが、男ってやつなんだよ。 「……ふぇっ!……恥ずかしいよぉ……」 「可愛いよ、雫……」 すると、俺の携帯電話が鳴り響いた。 長いコールが続く。 着信か?……なら、無視だ。 俺は雫の胸元にキスをしながら、自分の身体を擦り付ける。 あぁ、本当に俺はもう限界だ。 そして、また長い着信コールが鳴りやまず、邪魔をする。 「ったく、うるせぇな」 取り込み中だっつーの。 無視だ、無視! 雫のパンツを少しずつ、ずらして尻を触る。 更に着信音が、俺の集中力をかき消す。 しかも、出掛かると切れるこのタイミングの悪さが、半端なくムカツク。 「うぜぇな、マジにバカヤロー!誰だよ?」 俺は着歴を見ると。 会社、優司、リサまでもだ。 わざとか? 「何なんだよ、コイツら!」 頭をかきむしりながら、何事かと考える。 緊急の用事にしては、しつこいなぁ。 「どうしたの?」 「いや、ちょっと…ちょっと待て」 携帯電話を見つめていると、メールが入る。 『月読家から、草木の片付けの依頼があった。どうやら、あの家を壊して土地を売りに出すようだ』 はぁっ?!何だってぇ!! また、親戚どもは急に勝手に決めてんのかよ! 俺はセックスの途中で邪魔された怒りと、相変わらず身勝手な雫の親戚どもに、相当なムカッ腹を立てた。 「コノヤロー!ふざけんな!ボケが!」 枕を壁に思いっきり投げつけた。
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