⑭私、ご褒美もらえるの?

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雫は自分が怒られたのかと思って、赤ん坊のようにワンワン泣く。 「ふぇぇ~ん!…ふぇっ、ふぇっ…ふぇぇ~ん!…怖いぃー!ごめんなさーい!ふぇぇ~ん!」 「違う違う、おまえに怒ってるんじゃないからな」 パンツ一枚の俺は、慌てて雫を抱き締めた。 「雫は悪くない、だから泣くな泣くな」 もの凄い声で泣くもんだから、違う意味で、誰も居ない日中でよかった。 「顔が鬼みたいに怖いもん、すぐ好人、怒ったように言うもん…」 だから、元からだって。 ゆで玉子の次は、鬼かよ。 「それは周りが悪いんだよ。雫のせいでも俺のせいでもない。……よしよし」 髪を何度も撫でてみるが泣き止まない。 仕方ないから、キスをした。 「なっ?泣くな。俺はおまえが好きなんだから大丈夫だ」 「……うん、分かったぁ」 雫は素肌の俺の胸の中で、小さく丸まって、鼻をすする。 上も下も中途半端な格好の雫と、パンツ一枚の俺。 結局、今回も未遂で終わった。 俺は頭をかかえた。 ……そりゃあねぇ、萎えるって。 ……どこもかしこも。
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