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1日目
白く
どこまでも白く
君に出会えたのは俺の奇跡だったよ。
真っ白な世界…
なにも聞こえないしなにも見えない。
ただ1つ分かるとするなら君への想いだけ…
────────────
桜がヒラヒラと落ちていく。
まるで君を思って泣いているように…
「綺麗だな~。」
桜並木を車で抜けていくと少し坂を上がる。
上りきったそこには一本の大きな木。
ピンクの衣を身に纏う。
誇らしげにただそこにある。
18歳になった俺はようやく免許がとれて親の車でここまで来た。
由来(ゆら)が好きだったこの場所に…
もうすぐ由来の誕生日で俺はここで告白するって決めた。
願掛けのつもりで今日から1週間、毎日ここに通う気でいる。
俺と由来の好きな歌をかけながら…
「告白がうまくいきますように…」
桜の木に手をあてて1人で願い事。
自分でも思う。
どんだけ乙女だよ!!
でもこの機会を逃すわけにはいかないんだよ…
こんなに必死な俺って…
、
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