記憶喪失の嘘

4/7
前へ
/9ページ
次へ
5月16日。 日記を開くとやはり昨日も町を歩いたらしい。 そんな気もするが記憶が曖昧だ。 だが君との思い手をそんなに早く忘れたりしない。 なのに思い出せない。 5月20日。 また君は 「まだ何も思い出せない?」 と聞いてきた。くびを縦にふって肯定した。 あの日記に書いていたことは真実なのか?字は4月から同じだ。同じ人が書いているはずなのに。 6月4日。 君は 「明日はお寺に行こう」と提案した。なんでも記憶が戻る祈願をしようというのだ。 何度も行き飽きた場所だが君となら行こうと思った。 紙に、いいよ。と書くと君は喜んでくれた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加