記憶喪失の嘘

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次目覚めるとヘッドセットマイクをつけた白衣を着た女がこう告げた。 「バグが発生しました」 と。 思わず聞き返そうとするが、声が出ない。 嘘が本当になった? そしてこう続けた。 「人間界には同じ人間が二人いるの。しかし通常はお互いに関係をもつことは絶対にありえない。友達がもう一人と繋がることもない。 知ることがなければその人がいてもいなくても影響させずに関係ないはず。 そして同じ人であっても同じことをしているとは限らない。貴方のように記憶喪失の嘘をもう一人の貴方はつかなかったわ。 その記憶喪失の嘘が人間界にあたえるその人物の数値を大きく変化させて人間界はバランスを崩した。 そして貴方の存在感は失われていった。いるのだけど誰にも気にされない存在にあと3日もすればなっていたわ。 道に転がっている石のように誰の目にもとまらないの。 貴方の存在が消えかけているせいで二人は繋がってしまったのよ。 そして存在の消えかけている貴方を飲み込みもう一人の貴方は貴方の家などのたくさんのものを奪った。 そして貴方は逃げ出して今、ここにいる。それが真実」 女は一気にこれだけの話を話終えた。 それを聞いてどうしろと言うのだろう?もう消えたまま死ぬのだろうか。 女はなぜか微笑みながらどこかに歩いていった。 帰ってくると手に何か黒いものを持っている。 ヘッドセットマイクだ。 「これをつければ元の人間界に戻れるわ。貴方は戻ったらもう一人の貴方から居場所を取り返せばいいわ」 それがしなければいけないことなら……。 居場所を返してもらう。 ヘッドセットマイクをつけてもらい目を閉じた。 …………… 目を開けるといつも見慣れた公園に立っていた。 ヘッドセットマイクはつけていないが、いつもとは違うものを1つ持っていた。 スマートフォンだ。 これを見てすることはこれしか見つからない。 「あー、あー!」 声が出る! それがわかればやはり電話をかけることにした。 もう一人へと。 そして電話にでた相手にこう言った。 「何か勘違いしてない?貴方は私の偽物なのよ」 end
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