さやの気持ち

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み「よしっ!!終わったで~。」 『…………。』 ある程度の手当てを終わらせればコイツはすっかり大人しくなった。 『……なんで、こんなことしたんだよ…。』 さ「あんなぁ~大阪の人間は情が深いねんで、こんな傷だらけの奴をほっとけるわけあらへんやろ。」 『………。』 ジッと腕や足に巻かれた包帯がいずいのかガリガリと爪で引っ掻く姿は犬みたいでちょっと可愛かった。 さ「そないことよりなんで東京から大阪に?」 『……観光。』 さ「なわけあるかい!!」 苦しい嘘をつくコイツの胸にチョップを喰らわす。 み「ただの観光のわりには喧嘩ばっかしとるみたいやなぁ。」 『…………。』 さ「東京で誰かに狙われとるんか?」 『…………。』 何も答えへんコイツはただただ包帯をいじっていた。 さ「じゃあ名前はなんて言うん?」 『……キョーケン。』 さ「なんや、それ…。」 おかしな名前にちょっと笑ってしまうやないか…。
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