カフェエリアにて大惨事!!

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それは、穏やかな昼下がり。何の変哲もない学内のカフェテリアで起こった。 生徒たちは食事をとったり、友達との会話を楽しんだりと各々に昼休みの時間を満喫していた。 そこにまだ慣れない様子で新たに一人生徒が入って来る。 と、その瞬間。ざわついていたカフェテリア内の空気が一瞬にして凍りついた。 それもそのはず。入ってきたのは件の暴言人食い狼、ギロだったのである。 ところで諸君は、カフェテリアの本分はなんだと考えるだろうか? 友達と会話したり、時には自習したりするのも立派な使用方法ではあると思うが、カフェテリアという施設が食べ物を提供する場である以上『食事を摂る』というのが最も多い使用用途なのではないだろうか。 そう。カフェテリアは食事を摂る場なのだ。食事を。 そこに入ってきたのが人食いとあらば、これはもうどうしようもないぐらい不穏なフラグに他ならない。 こっちに来るなと祈るもの、早々に食器を片づけカフェテリア内から逃亡を図るもの、とった行動は生徒により様々であったが、にこやかに手招くものが一人もいなかったのは事実である。 そんな空気はさすがの狂人にも伝わったらしく、ギロは居心地悪そうにきょろきょろと辺りを見渡し、ある一人の少女に目を留めた。その少女は四人がけのテーブルに一人で座っている。(隣の席に人形が座ってはいたが。) ギロはぴょこぴょことなぜか忍び足でその少女に近づき、「相席、いい?」と聞いた。 少女はテーブルの上の昼食に落としていた視線をあげ、ギロを一瞥したのちに「いいよ」と短く答える。 相席を受け入れてもらえたことに安心したらしく、ギロはカフェテリアに入ってきてから初めていつもの無邪気な笑みを浮かべて「ありがとう!」と礼を述べ少女の真正面の席に着く。 すると、今度は少女のほうから話しかけてきた。
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