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一瞬だけ俺たちの方に目線を向けてきて、ふと目があった。
やばい、見すぎたかな。とか冷静に考えてる自分が気持ち悪い。
いきなり視線を逸らすのもと脳内をフル活用し、軽く会釈しようと出た。
恥ずかしくなりながら少しだけペコリとすると彼女も同じように『あ、どもー』なんて笑ってくれた。
「あぁー・・・。これはちょっと俺もやばいかも」
「おま、やめろよ?涼子ちゃんは俺が狙うんだからな!?」
「いや、そのなんとかって子はいいや。興味ない」
「おいそんな言い方するな!」
ははは!と笑ってる後ろ姿に釘付け。
千鶴が推す涼子ちゃんより、その横にいる子に俺は意識が行った。
俺とのやりとりはなんてことないに違いない。
でも、あの一瞬の出来事はなんか良かった。
俺とあの子しか知らない、そんなやりとりだったから。
「お前、どした?」
「あ、なんもない。帰ろ、千鶴」
「そか。じゃなー悠!また今度来る」
「おーういつでも来な二人共」
あ、どもー。 だって。可愛かったな・・・・・・。
俺には到底、縁のない子だと思うけど。
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