いつかの空

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「母さん、やってけるかなあんなクラスで」 「へーきだよ、へーき。だってアンタ母さんの子だし。それに高校初日なんてあんなもんだって。みんな様子見てるだけだから。すぐ楽しくなるよ」 人生の先輩の言葉は今の俺の心にとても安心感を与えてくれた。 素晴らしい母親クオリティ。 長い坂を降りて校門を出る。 駅から学校までの時間は徒歩で10分弱。 家から駅は電車一本一時間。 遠いと言えば遠いけど、高校生活の醍醐味の一つの登校時間に期待はある。 もしかしたらいつも同じ時間に乗る女の子が運命の人、なんてのもあるかもしれないし。 そんな漫画みたいな話ある訳ないと思うけどさ・・・・・・! でも誰もがみんなそんな感じの期待ってするよね。 俺は、そんな期待しかないけど。 「お昼めんどうだからファミレスで良い?」 「あーうん、腹減ったから早く食べたい」 「良い腹だ。母さん助かる」 「なんじゃそりゃ」 高校生活、一日目、終了。
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