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今朝も《おもち》の運動会と、それを制止しようとする、あおいの声に目が覚める。
一度は静かになる。けどまたすぐに運動会は再開される。
今何時?…まだ朝6時?…早いよぉ。でも起きなきゃ。
カーテンを開けた窓の外は、気持ち良いほどの快晴。
本日は祝日…仕事は休日。お昼にあおいを買い物に連れていってあげる約束だ。
その前にお洗濯と、各部屋のお掃除を済ませないと…。
11時過ぎ…私達ふたりは、揃って玄関を出てエレベーターへ。
今日は1階ではなく、地下1階の駐車場のボタンを押す。
動きだしたエレベーター。
あおいは左手に下げた、麻で編まれたバスケットの蓋を持ち上げ、中を覗いた。
『おもちゃーん、大人しくしててねー♪』
『にゃあ!』
『はーい♪お利口さんだねー♪』
あおいは、おもちの頭を優しく撫でてあげて、おもちがバスケットから出てこないように、そっと蓋を下ろし閉めた。
今から向かう大型ショッピングモールにはペットショップがある。
そのお店では、モールに来たお客様のペットを一時的に預かってくれる…なんて格安のサービスがある。使わない手はない。
地下駐車場に、ふたりの足音がコツコツと響く。
あの奥に私の白い軽自動車。普段は食材の買い出しに行く時ぐらいしか使わない。
私達ふたり車に乗り、軽自動車は緩やかに走り出す。
地下駐車場の出口の坂道を右回りにぐるんと上り、マンションの外へ。
主要環状道路に出られれば、いつもなら目的のショッピングモールへは約15分で到着。
『はーい、おもちゃーん♪もう車の中だから、バスケットの中から出られるよー♪』
あおいは脚の上に抱えて座っていた、バスケットの中からおもちを出して、その蓋の上にそっと乗せてあげた。
『ほーら、見てーおもちゃん。車がいっぱい走ってるねー♪』
『んにゃーぁ』
…今日は道路が混んでいて、到着するのに20分ほど掛かってしまった。
えぇと…適当な駐車場は…あ、あった!
迷わずそこに停車…OK!
ショッピングモールの館内に入ったら、まずはペットショップへ。
『では、お預かり致します』
『宜しくお願いします』
『お願いしまぁーす』
『にゃーっ』
おもち。出来るだけ早くお買い物、済ませてくるから…それまで大人しく待っててね。
よし!じゃあ…まずはランチしよう!
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