白と赤

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「いっでででででぇ!!」 山の中、一人の鬼の叫び声が響く。小鳥達が、空へ飛び上がった。 「いってぇんだよ!離せ!クソ山犬が!!」 白い鬼は人型の白銀の狼に耳を持たれ、持ち上げられていた。 白い鬼は右手、右足が無いため、しっかり立てずほとんどの体重が耳にかかっている。 「うるせーな。もっと可愛らしく話せよ。生まれ変わるんだろ??」 「じゃあその手を離せクソ犬!!!![★]」 二人のやりとりをポカーンと眺める赤い小鬼。 前回来たときは白い鬼が寝ていたため、日を改めたのだが、また寝ていたためこうして無理矢理起こしたのだ。 「つーか、なんだこのガキ!聞いてねぇぞ!?」 「ちゃんと言ったぞ」 「いつだよ!?[★]」 「てめぇが夜寝てるとき、耳元で」 「寝てる奴に言うんじゃねぇよ!なんなんだてめぇ!?セクハラで訴えるぞクソ犬!![★]」 「さっきからクソ犬クソ犬うるせーぞ。ボソッ男じゃなくされてーか」 「ごめんなさいすいません許してください離してください…」 狼はよしと言うと木陰に白い鬼を降ろす。 「いっつぅ…伸びたらどうしてくれんだよ…」 耳を擦り涙目になる。狼は赤い小鬼を膝に乗せ、白い鬼の前に座る。 「いいか?てめぇは自分をアタシって言ってオカマ染みた喋り方しろ。そうすりゃてめぇなんてわかんねーよ」 「だ・か・ら!なんでオカマなんだよ!オレ「アタシ」…[★]アタシャ嫌だかんな!!」 「やろーと思やできんだよてめぇは」 狼は楽し気に笑う。白い鬼はギロリと睨み付けた。
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