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『くっはははは!気に入った!てめぇ、名前は?」
狼は笑い声をあげながら人型になった。袖の無い白い着物を羽織り、白い鬼の頭をぺちぺち叩いた。短い白銀の髪。一部分だけ伸ばしてあり、軽く縛ってあった。
「痛ぇ…[★]」
「おぉ!悪ぃ悪ぃ」
ケタケタ笑い、白い鬼の右肩を撫でる。
「っ…?」
傷みは無く、よく見れば手当てがしてある。
「うめぇもんだろ?たまにケガした奴とか治してたんだぜ?」
「ふん…山犬ごときに手当てされるとはな…」
ガスッ
「いったぁああああ!!!!」
狼は白い鬼の右足の付け根を思いっきり殴った。塞がっていた傷が開き、血がドバッと出た。
そして右肩をグリグリと押し、満面の笑みで…。
「オレぁ礼を言わねぇ野郎は大嫌いでな。いたぶるのが大好きなんだよ…」
「いでででで!あ、ありがとうございます!!」
白い鬼は涙目でお礼を言う。狼は満足したように手を離した。
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