5人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、てめぇの名前は?」
白い鬼が息を荒げ、傷みに耐えているとき、唐突に狼は聞いた。
「てめぇッハァにッ答ハッえ…筋合い…ねぇハァ…」
「そーかそーか……よっぽど傷の治りを遅くしたいらしい」
「すいませんごめんなさい白城紅(シラキクレナイ)です」
狼がグッと握り拳を作ると白い鬼は涙目で答えた。
「紅ねぇ…お前、この森に住め。そうすりゃ狙われねーよ」
「あ゙?名前さえ分かりゃ誰でも来るだろ」
「だから、オレがお前に名前つけてやる」
狼は笑いながら白い鬼を撫でた。
白い鬼は何となく、懐かしい感じがした。
「そーだなぁ…あ、修羅場抜けて来たから修羅!てめぇは修羅だ!!」
「あ ん ちょ く」
「安直の方が良いんだよ!」
「チッ…まあ良いさ。オレは…ここで生まれ変わってみるかな…」
最初のコメントを投稿しよう!