日常、「まぁ多分、貴方が一番の半端者でしょうけどね」

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卓袱台(ちゃぶだい)が目の前にあればひっくり返していた怒りの形相に、紅里は怯えて千三子の後ろに隠れます。千三子の方も、矛先が自分ではないにしろ中羽の怒りっぷりにはタジタジになっていました。 ですが当の本人は至って涼しげな顔をして、真剣な声色で中羽に言ってやるのです。 「まさかあの中羽ちんが否定する訳はないっすよね。なんせ、私はこのスィーテゥバイキングゥを通して将来パテスエになる未来があるのやもしれぬのに、ねぇ大将少女の未来を潰した食費を貰って嬉しいにょん?」 「…………」 本日2度目の無言。 「ってのは、ちょっちゅ意地悪過ぎた発言にょん。意地悪とゅうか、卑怯ゅうかって感じっすかね。 んにゃら、輝かしい美少女の未来が為に先行投資してると思いなんしぃ」 「――――んな先行投資は聞いた事がねぇがな、まぁいい行ってきやがれ。但し可能な範囲で食費は払ってもらうからな、払う金がないならバイトでも始めろ」 「にょはは、バイトする時間あるにょら有意義な部活動に回すっす。高校生の部活動はその時期にしか出来ぬん最重要な出来事なんですぁい」 これがダメな高校生の主張です。タダ飯食らうのに悪びれもせねば、働いて返す気もサラサラ無いと言いやがるのです。中羽が口を酸っぱく言うのも分かりますね。 呆れたと言うかやる気が折れたと言うか、ともかく疲れた時にしてしまう溜め息を中羽は吐いてから、「あー分かった、分かった。とりあえずもう行け」と追い払います。 それを受けた希は「行って来ゃーす」と元気よく叫びながら階段を降りていきます。その元気の良さが今の中羽にとって煩わしくありました。 どうにか気を取り直し、冷蔵庫の中身をチェックする中羽は「槻乃、骨付き肉を使ったチャーハンで良いか?」と紅里に尋ねます。千三子には聞かなかったのは、残飯でも良いと言うんなら何でも良いだろうと思ったからで、決して無視した訳ではありません。 「骨があるならなんでもいいなのん」と、ちょっとだけ恍惚が混じった顔で返された言葉を聞き、2人分の材料を取り出しました。 卵を割り、かき混ぜ、材料を刻み、ご飯と炒める。ものの5分しか掛からぬ速度料理は更に盛られて、美味しそうな匂いを充満させて湯気を立ち込ませ、骨付き肉入りのチャーハンはご馳走でした。 「「いただきます」のん」とハモる挨拶を聞いた所で、台所の扉が開いたのです。
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