日常、「まぁ多分、貴方が一番の半端者でしょうけどね」

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「今日の担当はお前で俺じゃないの明らかだろう。なのに、何で俺がお前の飯を馬車馬の如く作らなきゃならないんだよ」 「何を言うかと思えばやれやれ、本当に顔でも洗ってきてはどうじゃ。それくらいの時間ならば寛容なる私(わらわ)は待ってしんずるぞ」 可哀相な奴でも見るような視線を向けながら、リリィは落胆しながら中羽にそんな言葉を返した。 勝手に残念がられても意味分からんのだがという心境の中羽は、声を強め再度リリィに問い質す。 「もう一回言うぞリリィ。今日の当番はお前で俺は全く関係ないし、寝坊して作らなかったお前が悪いんだから自業自得だろ、他人に八つ当たるなよ。 いいか、飯は作らないし欲しければ自分で作りやがれ、ドゥーユーアンダースタン?」 「カタコトな英語じゃのう。Do you understand? くらい簡単じゃろ、もっと流暢な発音で喋れないものかのう? それでも高校生か」 「これでもバリバリ日本育ちの高校生だ。つか、英語の発音とかどうだって良い――――」 「当番の件の話じゃったな。在情の事であろう、体質的に起きて来ない私の代わりに当番を買って出たに違いあるまい。ならば本日の当番は実質在情に移ったのと同意じゃ。 ほら、これで理由は解明したろう。分かったのなら早う飯を作らぬか」 キッチンの机に着きながら、中羽に向かって勝手な事をさも同然のようにリリィは語りました。 実際、確かに中羽はなかなか起きないリリィの代わりを買って出て、きちんと食事当番をこなしていました。が、それは感謝される行為であるというのに拘わらず、不遜な態度を取る相手に口をわなわなと開くしかない中羽。 そこへ更に、リリィの言葉は続くのです。 「というか、私(わらわ)が朝早く起きるのを無理と知っておるだろう、いっそ私の当番を永久に外すか主がやってくれ。あぁ夜だけはキチンと手伝いはするから、それくらいの負担であるならば快く代わってくれるじゃろ?」 小悪魔と言うか、まさしく悪魔の笑みで勝手を願うのですが、そんな馬鹿な願いは、
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