日常、「まぁ多分、貴方が一番の半端者でしょうけどね」

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そんな細かい事に文句を言いながらも、中羽は焼きうどんの材料を冷蔵庫から出していきます。人参、キャベツ、玉ねぎ、豚肉、そしてうどんの玉を机の上に並べました。量にして1人分です。 それらを眺めながら台所の席に座った希はふと尋ねます。 「あれ、中羽ちんはもう食べたん?」 「食べてねぇが、今日は飯が届く予定なんでな。タダ飯は無碍に出来ねーのさ」 「なるほにょ。愛妻弁当は断れないよねぇ」 「あいつは妻じゃねぇ、ただの幼なじみだ幼なじみ。それ以上の関係など一切無い」 ニヤっとしながら言う希の言葉を否定しながら、食材の皮を剥ぎ、身を刻んでフライパンに投入していく。ジューとした良い音が響き食材の焼ける匂いが充満し、それだけで希の食欲は高まっていく。 火を通して味を付けるだけの簡単なお仕事はものの10分も掛からず完了します。皿に乗せられた完成系塩味焼きうどんは香ばしく、手抜き料理とは思えない程の出来映えです。 「ほら食え」と、乱暴に渡された皿を奪い取るように掴み、置いてあるマイ箸で希は一口麺を啜り、 「ん~、ウマシ! やっぱりウチの大将が作る料理は格別っすなぁ」 「褒めてくれるんなら材料費を払え。手間暇諸々込みで300円にまけてやっから」 「かっかっか、タダである以上のスパイスって無いんすよ~。つまりこれが有料なら、こんなのただの豚のエ――――うそうそっすッ!!」 そうか、ならば返してやろうと取り上げた皿を中羽は机に戻しました。 冗談が過ぎると言いますか、いつも押し付けられている料理を馬鹿にされると誰でも頭にくるものです。 ただでさえ良くなかった機嫌が更に損なわれ、「許してくらさい、美少女の戯れ言じゃないっすかぁ」の美少女の部分で頭痛を引き起こした。 「大丈夫っすか?」なんて元凶が心配してきやがり、その口を閉ざしてやりたいという気持ちを中羽は理性で抑えて、口を尖らせながら、 「五月蝿い、黙って食え。そして食費を払いやがれ」 「にはっ、出世払いで」 「払う気無いだろその決まり文句。ったく、そんなんだから赤字経営で誰が困ってるとでも」 ぶつくさぶつくさ、文句が滝のように中羽の口から溢れ出てきます。食費も6人分余分に払うとなれば、収入より支出の方が大きくもなりましょう。 「あーハイハイ」と流し聞きをしている希でしたが、一瞬の間を突いて中羽にこう言いました。
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