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流海はコーヒーを
丁寧にカップに注ぎながら
「はぁ~。」
溜め息が漏れる。
瀬戸の見つめるような視線は
身体が動けなくなる。
心の中を見透かすような
頭の中が真っ白になってくるのだ。
瀬戸様は
いや、祐樹さんは
本当に何ものなのだろう?
祐樹さんは何故?
私に名前で呼ばせるのだろう?
何故、祐樹さんに見つめられると
こんなにドキドキして
顔が赤くなるのかな?
流海自身、瀬戸を好きになりかけてることは
まだ、気がついていなかった。
流海の頭の中で
たくさんの疑問を投げかけながら
流海はコーヒーを持って
瀬戸が座っている白いソファーに向かう。
すると、
瀬戸はいつものように小さな窓から
青く広い海の景色を眺めていた。
流海は瀬戸の座る白いソファーと
同じ白いテーブルの上に
そっと、コーヒーを置いた。
すると、瀬戸は
小さなな窓から視線をはずし
コーヒーのカップに手にとり
一口飲む。
お互いに黙ったままだ。
コーヒーのほのかな香と
静かな時がおとずれる。
流海は
海や空とは違うが
この何気ない静かな
瀬戸との空間が好きだ。
この何気ない毎朝の行動が
瀬戸と流海の日課になりつつある。
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