祐樹

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流海は首を傾げ 「人魚姫って あの童話の人魚姫でございますか?」 「そう。その人魚姫だよ。」 瀬戸は 一度、流海の瞳を見つめ 小さい窓に視線を向けた。 瀬戸は小さな窓から 波が揺れ動くのを見つめ 「僕は人魚姫を探していたんだ。」 流海は瀬戸が何の話をしているのかがわからなかった。 瀬戸はまた、流海のほうに振り返り 流海の瞳を見つめる。 何かを訴えかけるように。 「そして、僕は人魚姫を見つけたんだ。」 流海は 瀬戸の瞳をじっと見つめ 話の意図を見付けようとする。 流海は何故だかわからないが ざわざわと不安がよぎる。 不安がよぎる胸の中で 恐る恐る瀬戸に聞いて見る。 「人魚姫には会えたのですか?」 すると、瀬戸は 不適な笑みを浮かべ 「さぁね。どうだろう。」 流海の胸が ざわざわと大きくなってくる。 流海は息苦しさを感じ 瀬戸に業務が残ってることを伝え その場をあとにした。
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