動揺

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動揺

**************************** 流海が瀬戸の部屋をあとにし 祐樹は1人。 飲みかけのコーヒーを 捨て新しくコーヒーを入れ直し いつもの定置の白いソファーに 腰を掛けた。 自分で淹れたコーヒーを一口飲むと 口の中で苦味と酸味の効いた コーヒーの香りが 広がっていく。 その味わいと香りが 祐樹の心を落ち着かせてゆく。 祐樹は煙草を一本 取り出し 口に加え 煙草に火を付ける。 深く吸い肺にニコチンを摂取する。 半分ほど吸い 煙草の火を灰皿に押し付け 煙草の火を消し また、一口コーヒーを含む。 祐樹は動揺していた。 流海に下の名前で呼ばせたと言うこともあるが 『人魚姫』と言う言葉を 流海の前で口にして良かったのだろうか?
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