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次の日、何気なく読んでいた新聞に、昨日観覧した番組の記事が載っていた。
番組始まって以来の衝撃という題名に、私が起こした出来事が乗っている。そして、その日の番組は過去最高の視聴率を叩き出したようだった。
まったく興味の無い記事を一通り読み終えて、私はまたベッドへと潜り込む。いつもと同じ行動をとった。
すると、玄関のチャイムが鳴る。
私は重い腰を上げて立ち上がり、玄関ドアののぞき穴から外をうかがう。
ドアの前には、マイクを持ったスーツ姿の男性が立っていた。その後ろには、大きめの撮影用カメラを肩に担いだ男性の姿もあった。
『どちら様ですか?』
ドアの向こうから答えが返ってくる。
『○○テレビのものですが、先日、あなたが番組内で死の宣告を受けた事について、ちょっとお伺いしたいんですが』
『何もお話する事はありません』
私は、またベッドの中へ潜り込んだ。
なんて非常識な人なんだろうと思った。朝早くから人の家まで来て……いったいどこでここの住所を知ったんだろう……
そんな事を考えていると、今度は電話がなった。
出ると『□□新聞ですが、昨日の件でお聞きしたい事があるのですが』という内容だった。
私は慌てて電話を切った。
その後も入れ替わり立ち替わりテレビ局や週刊誌、新聞の取材依頼の電話や、直接玄関前まで来るという事が一日中ひっきりなしにあった。
それだけではなく、宗教の勧誘や名も知らない団体からの応援メッセージが留守電やFAXで送られてきた。
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