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客の半分は、カップルで来ているようだった。残りは女性同士らしく、客席は、殆どが女性で埋まっていた。
私達は、あらかじめ指定されていた席に腰を下ろす。
すると、番組スタッフから、番号のかかれた紙を渡された。
友人は23番で、私は41番だった。
それから番組は順調に進行していき、いよいよみんなが待ちわびていた、霊能力者による占いのコーナーになった。
番組司会者が、ランダムに番号を読み上げる。
先ほど渡された番号は、本日占ってもらえる人を選ぶ為のものだったらしい。
司会者の声が響く。
5番……34番……23番……
『23番っ』
友人は声を上げた。
まだ、信じられない。と友人は声を震わせながら言った。
ここで占ってもらえる事は、相当の運がなければならないようだった。
司会者は最後の番号を読み上げる。
『41番』
私は番組が始まる前に渡された紙に目をやる。41番と書いてあった。
最後に呼ばれたのは、私の番号だった。
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