誰かが、この感情を初恋と呼んだ。

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街中の、とある裏路地の一角。 「これに懲りて、もう俺に喧嘩フッかけんじゃねーぞ」 目の前でうずくまる男の顔面を蹴りつけて、俺はにっこりと微笑む。 ―――学習しろよ。勝てる訳ねぇんだから。 結構締め上げたから、この男はもう二度と俺に絡むことはないだろう。 俺は、その場に背を向けた。 「お…おい、待てよ……」 背後から掠れた声がして、振り返るとたった今締め上げた男からだった。 男は這いずりながら、俺を睨んでいる。 ―――面倒くせぇ奴。 「何お前?まだやんの?」 「…お前を倒さねぇと、あいつは…俺を見てくれないんだよ…!」 その言葉に、俺は全てを理解した。 「…あぁ。俺に女盗られたわけ?」 嘲笑った俺を、男は憎悪をこめて睨みつける。 ―――結局、女絡みか。 「―――それだけ?」 真顔になった俺を、男は茫然と見上げる。
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