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「葵ー!おっはよー! って、その目どしたの!?」 「おはよー…。野々村くんにフラれました」 あちゃー…。と明らかに 気まずい顔をした 親友の月村桃花(つきむらももか)こと 桃花はあたしのどよーんとした オーラを察したのか 背中をバンッと叩いて 「んもー葵は元気で居なくちゃ!」 元気って…。 フラれた後にいつもみたいな バカなテンションではいられないよ…。 「ちょっと桃花…ただでさえあたしフラれた身なんだけど…」 「でもさ、フラれたらその恋が終わりな訳じゃないし」 桃花は少しムッとした顔であたしを睨む。 正直、桃花にそんな事言われても説得力は無い。 日に焼けてない真っ白な肌。 ほんのりピンクなほっぺ。 小さい背に子犬みたいな目は まさに女の子って感じ。 その点あたしは 日に焼けた肌に 肩幅もがっしりしてるし 脚も太いし おまけに背も高い。 何一つ「女の子」な要素は無い。 そりゃあ、野々村くんにもフラれるよね。 「桃花は可愛いからそんな事言えるんだよ」 「あたしなんかより葵の方が可愛いよ」 桃花、そういうのを世の中ではお世辞 って言うんだよ。 心の中で もわーんと嫌な霧が架ってしまった。
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