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―― 某国 某所
―― 深夜
高層ビルが立ち並ぶビルの森の中でも一際高いビルの屋上に、短金髪で左眉毛にピアスをしている青年が、フードがついた制服のような姿でその際に立っていた。
ビル風で青年の服の長い裾の部分が舞い上がる。
「…こちら002、シグルド。 これより任務を遂行します」
青年は耳に装着しているイヤホンマイクのボタンを押し、静かな口調でそう告げる。
『こちら001、キュイラス。 任務遂行を許可する、気をつけて』
「了解」
シグルドと名乗った青年が着けている無線機と繋がっているイヤホンマイクから聞こえてきた声に、視線をビルの下に向けてイヤホンマイクから手を離した。
その時。
命綱すら着けていないシグルドは体重を前へと傾け、ビルから当たり前のように頭から飛び降りる。
落下する中、シグルドは腰のベルトに装着しているホルスターから弾丸一発を取り出し、指で弾くようにして持ち、自分が今し方までいたビルに向けた。
刹那、シグルドの体から凄まじいほどの電気が放電され、弾丸へと集められて行く。
(…15…16…17…18…19…)
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