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―― 同日 深夜。
―― アレウスの仕事部屋。
宵も更け大体の人間が眠りを貪る頃、俺は自分の仕事部屋でシグルドが持って来た、暗号だらけのジンの報告書を読み、溜め息をついていた。
書類の冒頭には見覚えのある文字の羅列。
〔能力の人工的発脳について〕
今から35年前…。
裏社会のあるイカれた科学者が、俺達のような能力者を人工的に造ることは出来ないかと、秘密裏に研究を行っていた。
実験は動物実験から必然的に人体実験へと発展し、表社会の人間が犠牲になっていたそうだ。
動物実験から人体実験に移行して目覚ましい成果があがり、禁忌とも言える実験を繰り返す中で、奴はある事に気付く。
それは、能力者を造るならば、若い内に薬を大量に摂取させると、能力の開花する率が格段に上がる事。
…奴はイカれてたからな。
身よりのない子供達を善意に見せかけた悪意で引き取り、意味すら分かっていない子供達は実験材料として扱われていた。
…聞いた話ではある一定の量の薬を継続的に摂取すると、のたうち回る程の強烈な頭痛に襲われ、もがき苦しんだ後に涙腺や鼻孔、耳孔から鮮血を流し、息絶えたそうだ。
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