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「しっかし、まぁ…。 ターゲットもマヌケだったな、用心っつーモンがまるで感じられやしねぇ」
アレウスはそのまま歩みを進めて、先ほどシグルドが飛び降りて一連の動作をしたビルを覗き込んだ。
「お言葉ながら、たかが雑魚です。 裏社会を軽く噛んでいるだけで付け上がる人間は…早死にするのを知らなかったんでしょう」
「ははっ、怖いねぇ。 雷帝に"くわばら"は通じねぇってなァ」
アレウスは覗き込むのを止め、屋上からビル内に入れるドアに、笑い声をあげながら歩み始め、シグルドがその数歩後ろを忠実について行く。
「雑魚に花を手向けるのも一興か…」
「…勿体ないですよ、アレウス様」
「構いやしねぇよ、これも気紛れだ」
そう言ってアレウスは右手を持ち上げて、歩みを止めることなくパチンと指を鳴らし、それと同時に先ほどのビルが前触れもなく大爆発を起こした。
「精々騒げよ、表の住人共。 裏闇の帝王からのサプライズだ」
そう言い残し、アレウスとシグルドは屋内へと入って行ったのだった。
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