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「別にいいけどよ・・・・・・サワ、補習してなかったか?」
「まぁ、そうだけど・・・・・・何とかなるよ」
「・・・・・・そうか、あの先生は課題を解かないと解かせるまで続くからな。気をつけろよ?」
「・・・・・・マジ?」
今日の分の補習の量は課題の倍であり、それを効率良く授業を展開し、解りやすく俺に教えられた。もし仮に、課題を解き切れなかったとして、この先、何が待ち受けているのだろうか。
「なぁ、もし課題を忘れたら・・・・・・」
「鉄槌が待っていると思うなぁ。噂・・・・・・だけどね」
「すまん、解いてくる」
ハルの家の前に居た俺は、大衆の目も呉れず猛然と走り出していた。立ちはだかる信号機に苛立ちすら覚えながらも、十分も掛からずに家に戻った。手を付けるのは、まず数学だ。
息を整えている間に、机の上にある三十枚程度のプリントの山から数学を取り出した。
「ヤバイ・・・・・・」
思わず声が漏れていた。今日やったばかりの問題や難問が所狭しく書かれていた。
家族が居ない分、部屋の中にはシャープペンシルで文字を書き殴っている音が占領していた。
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