僕は想ってはいけない。

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そう言いかけた自分に驚愕する。 …なぜ、僕はこんなことを思っているのだろうか。 普通なら、好きな人に言う言葉なのだろう。 でも、僕の口から自然に、 当たり前のように、言葉が出たんだ。 「そんな顔をしないで」 何故だろう。 たとえ太子がどんな顔だろうと、泣いていて欲しくない。 僕はその気持ちの理由を、知っているのに、知らないフリをした。 …自分の心に蓋をした。 太子は、僕をじっと見つめている。
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