僕は想ってはいけない。

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「わ、私は、妹子に言われたことを、忘れたくはない! なんでかわからないけど、 でも、 妹子に泣くなって言われたら、 涙が止まったんだ!だから、その…」 何を言いたいのかわからない。 頭が真っ白になっていたから。 考えたくなかった。 気付きたくなかった。 太子の気持ちは、きっと僕と同じで。 嬉しいのにはずかしい気がして。 「…だから、何ですか?」 自然に口が動く。 聞いてはいけないのに。 答えを求めてはいけないのに。 なのに… 「…私は、気付いたんだ、妹子が…」
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