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その少女からはやけに話が通じるような言動がみられた。中でもアイレスタが不思議に思ったのは少女の胸元に銀の煌めくネックレスをしていることだった。
そのネックレスはしっかりと肌に密着し、かつ衣類に覆い隠されている故、おもわず胸元を覗きこんでいたというアイレスタくん。すると──
「紺碧の琥珀… … ?」
アイレスタはそのネックレスの先の黒い塊をピタリと言い当てた。アイレスタはこの光に当てないと中身が見えないような琥珀に心当たりがあった。
ではその琥珀は一体何なのか、なかなか思い出せないでいた時、先に少女の口から答えが出た。
「深淵の樹海竜・ラズリヘッグ」
「っ… … それだ! 君はあんなに遠くから来たのか? というかハンターなのか!?」
深淵の樹海竜、ここからさらに南方にある半島のとある谷に住むという珍しい翼竜。まるで樹木の様な生態をしていてその世にも珍しい深緑をした血液からは魔力に満ちた琥珀が得られるという。
アイレスタは驚きを見せた。しかしながら、〝紺碧〟と言えど、彼の目には深緑にか見えなかった。
「俺はアイレスタ、その琥珀をよく見せてくれよ」
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