第一世 ロストキャンセル

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  「あーそーだーー!!!」 「え、ナニナニナニナニ」  もしかすると、この時に財布を盗まれたのかも知れない。アイレスタはそんな気がして叫んだ。 「いやでもこんなに一瞬の隙にな」  その時リーミスは遠くにいる知らない人と目が合った。その人は此方に近づいてくる。 「そうに違いないな、きっとそうだ。何かしら魔法でも使って盗みやがったんだ」 「それはどうかな?」  そこに見た目少し落ち着いた感じの少年が現れた。 「貴方は… … ?」  目が合ったリーミスが彼にそう言うと、彼の後ろから二足歩行の白猫がひょっこりと出てきた。 「あ、アルバ! 貴方どこに行って… … 」 「ミャ… … リーミス… … 」  ここで、またしても、ネコ科動物の白猫が喋った。それもそのはず、黒猫カルボの兄弟であった。そして次にカルボが問い質す。 「ニャ。アルバ、その人は?」
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