第一世 ロストキャンセル

23/96
前へ
/96ページ
次へ
「んミャ? 何故それを!?」 「まず、こんな人気の少ない時間帯を選んだのは何かを練習するためだと仮定する。次に君のような身長の者がこの川の塀を飛び越えて転落するのはまず考えにくい。つまり物体浮遊術系の魔法を練習していたことになる。なぜなら小柄の体型の者がこの術を本気で試みかつ誤ると力学的に自らの身を投げ出す形になってしまうから。これにより落下地点が塀の向こう側だと考えたら… … ?」 「ま、全くその通りでござります、ミャ!」  物静かな彼はどうやらアルバを気に入った様だ。物体浮遊術を一人で練習していたというこのアルバの心情を読み込み、その力になってやりたいと思ったのだった。  そして、彼こそこの少年は古術士・ログ。街を巡っては探偵として雇われたリドル家の一人息子──
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加