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「──という訳なのミャ。ログさんはしばらくの間ギルドに残るとのこと」
「仲間を救ってくれてありがとう。よろしくな、ログ」
続いてまだ疑問が残っている。本題でありアイレスタを絶望の淵に陥れ兼ねない財布の件についてである。もちろんそこまで大きな事件ではないということを抑えておいてほしい。
「道端に何故か大剣が転がり落ちてて、んで財布… … 事件ではないってどういうことだよ」
「その立派な大剣なんかを落としたのかい!?」
改まってログの小さな推理が始まる。
「経路はだいたい分かったよ、カラスが発端の鉢植え事件については風の噂で聞いたし。それに君は大剣をこの布でキレイに拭いていた。さっき君に近づいた時にこの布を調べさせてもらったよ」
「いつの間に!」
ログは赤褐色に汚れている布を目の前でちらつかせた。
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